村川ヴァイオリン工房

murakawavn.exblog.jp
ブログトップ
2015年 06月 16日

外枠について

以前から、2ちゃんねるなどで「内枠VS外枠」戦争が起きているのは知っていました。

「外枠はブロックが入ってないぞ!」とか、
「外枠で作られている楽器は量産品だ!」とか、
「モラッシーは外枠で作ってるからブロックは入ってない!」とか、
色々な情報が飛び交っています。

なぜか、インターネットで検索しても外枠製作の情報が内枠製作に比べて少ないので、色々と誤解を招いているような気もします。
検索に引っかかるのも偏った情報やら間違った情報が多いです。

僕はどっちで作ってもいいと思いますし、実際に両方使用しています。

まずは外枠を見てみましょう↓
d0299605_22135872.jpg

文字通り、外側に枠があります。
内側に横板を貼り付けていきます↓
d0299605_22140917.jpg
内枠でも外枠でも最終的には枠は外してしまうので横板部は特に違いはありません。(製作オカルト話?では内枠と外枠では横板の変形する方向が違うので、その差が問題なんだという主張もあります。確かにそれはありますが、自分は特にその差による影響はあまり気にしなくてもいいのではないかと思います。)

2ちゃんねるでの話題はもっぱら、「コーナーブロック」についてです。
内枠、外枠の歴史や使われてきた経緯などは、そういうのを書いたり調べたりするのが得意な人がやってくれると思うので、ここではスルーします。

「外枠はコーナーブロックが入っていない」というと誤解が生まれます。
「外枠はコーナーブロックが入ってない物もあるし、入っている物もある」といった方がよいかと思います。

昔の量産楽器ではブロックが入っていない物、または簡易的なブロック(板で見える所だけ蓋をした状態)を付けた物が存在します。
ここの部分だけが取り上げられ、外枠がディスられているのだと思います。

100年位前の外枠で製作されたドイツの楽器のコーナー部↓
d0299605_22153071.jpg
d0299605_22153493.jpg
ブロックが入っていません。簡易ブロックもなしの一番省略されたタイプのコーナーです。
確かに安い量産楽器に多いです。

横板の接合部↓(コーナーブロックがないと↓のようなハガレや歪みが起きやすい。Vcの場合はさらに割れが併発しやすい。)
d0299605_22153760.jpg
コーナーの中心付近に横板同士の接合部があります。
ここの部分を見れば(オープンしてない状態で)内枠か外枠か判断できる場合もありますが、 近代の外枠製作では内枠製作と同じになるようにしてあります。
別の部分を見たほうが内枠か外枠か判断できます。 判断するときに見るべきポイントはいくつかありますが、一番わかりやすいのはオーバーハングの部分です。
しかし、非常に高い精度で外枠製作された楽器は、ほぼ判断ができないでしょう。

さて、話は戻ります。
外枠のコーナー部分↓
d0299605_22140338.jpg
コーナー部分にもブロックを入れます。↓
d0299605_22141431.jpg
現代で新作の手工品で外枠を使っている製作者の楽器は、上の写真のように、コーナー部分にもきちんとブロックが入っています。
「モラッシーは外枠で作ってるからブロックは入ってない!」とか言われてた人も心配しないでも大丈夫です。ちゃんとブロック入っています。
最終的にはこんな感じになります↓
d0299605_12324181.jpg

まあ、ここでの話も偏った情報ですが、少しでも参考にはなると思います。


「内枠VS外枠」戦争が終結したら、今度は「アルコールニスVSオイルニス」戦争ですかね。こっちの戦争は終わらないと思いますが・・・




村川ヴァイオリン工房http://murakawa-strings.com

[PR]

by murakawa-strings | 2015-06-16 23:32 | 新商品 / 再入荷


<< バイオリン製作 ライニング      馬毛、Bowケース入荷  >>